【J1第7節】10位清水と5位湘南、連敗を避けたいチーム同士の対決の行方は

前節で負けを喫した清水と湘南の課題

3年目のシーズンを迎えた清水の監督である秋葉忠宏は、超攻撃的にアグレッシブに闘うスタイルを志向している。清水はスターティングメンバーを前節から2名入れ替え、MF宇野禅斗とMF吉田豊を起用。一方、湘南の監督である山口智は、チームを率いて5年目のシーズンを迎えた。縦パスを重要視したポゼッション志向のチームであり、今季は昨季よりも失点を減らすために守備の強化に力を入れている。湘南はFW福田翔生、DF髙橋直也、そして3日前に加入が発表されたばかりのMF奥埜博亮が、スターティングメンバーに名を連ねた。

前節では、両チームとも相手が有利になる形でボールを奪われ、失点したことが黒星に繋がった。今節ではその点をどう修正したかが注目ポイントの1つになりそうだ。

清水による怒涛の攻撃が繰り広げられる

試合開始8分、前線からのプレスからボールを奪った清水は、ペナルティーエリア内でMF宇野が倒されてPKを獲得する。FW北川航也が、落ち着いてゴール右隅に決めてあっさりと先制した。湘南は19分、左サイドから攻撃を展開。DF畑大雅がゴール前にクロスを上げ、FW福田がヘディングで合わせるも、ゴール右に外れてしまう。20分、清水はMFマテウス・ブエノがボールを運び、チャンスを作る。右サイドでMFブエノからパスを受けたMF北爪健吾が、ゴール前にグランダークロスを投入。FW乾貴士がシュートを打つも、GK上福元直人に阻止される。続く22分、再び清水にチャンスが訪れる。FW乾が、ディフェンスの背後に抜け出したFW北川にスルーパスを出す。逆サイドにFW北川が折り返すも、パスが繋がらない。

攻撃の手を緩めない清水は27分、最終ラインから攻撃を組み立てる。右サイドでパス回しをしながら相手ディフェンスを引き付け、MF宇野がピッチ中央でフリーのMFブエノへダイレクトパスを送る。パスを受け、素早くボールを運んだMFブエノが、ペナルティーエリア内にスルーパスを投入。そこに走り込んだFW松崎快が、冷静にきめて追加点を奪い、2-0で清水がさらにリードを広げた。追いつきたい湘南は45分、DF畑が左サイドからファーサイドにクロスを上げる。最後はMF小野瀬康介がミドルシュートを放つも、清水のMF吉田にブロックされてしまった。湘南は得点を奪えないまま、前半を折り返すこととなった。

追いつきたい湘南が素早い攻撃を仕掛けてチャンスメイク

後半開始早々の49分に、湘南がチャンスを作る。右サイドからMF小野瀬がクロスを供給し、FW鈴木章斗がミドルシュートを放つも、相手ディフェンスに阻止される。セカンドボールを拾ったDF畑がゴール前にパスを出し、最後はMF奥埜が押し込む。しかし、オフサイド判定となり得点とはならなかった。52分、清水はペナルティーエリア内でボールを持ったMFブエノが、左サイドのMF吉田にパスを供給。MF吉田が鋭いグランダークロスを出すも、GK上福元が右手で止め、清水にチャンスを与えない。

60分、自陣でボールを奪った清水は素早い攻撃を展開する。右サイドからMF北爪がボールを運び、クロスを上げるも相手ディフェンスがクリア。こぼれ球を拾ったMF宇野がシュートを放つが、DF髙橋にブロックされる。追いつきたい湘南は、ロングパスに反応したFW鈴木章斗がそのままボールをキープし、最後は自らシュート。しかし、またしてもオフサイド判定となってしまう。前線からプレスをかける清水は、66分にMFブエノが湘南のパスをカットして、すぐさま縦にパスを出す。それに反応したFW北川が、GK上福元の動きを冷静に確認し、ゴールを決める。そのままスコアは動かず試合終了となり、清水が3-0で勝利した。

清水のダブルボランチによる見事な崩し

完勝した清水は、ダブルボランチのMFブエノとMF宇野が躍動。両選手を中心にボールを繋ぎ、主導権を握った。とくに清水の2点目は、宇野の絶妙なダイレクトパスで一気に数的優位に立った。そこから、MFブエノが素早いドリブルで相手ディフェンスを引き寄せたことが、FW松崎の得点へと繋がった。このダブルボランチの見事な連係が、チームの勝利を大きく引き寄せた。

DAZN「明治安田J1リーグハイライト清水vs湘南：第7節」（2025年3月29日）より
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