
日本ハムと“セ界の火ヤク庫”ヤクルト打線の激突は乱打戦の様相【オープン戦を振り返る】
2025年2月22日よりスタートした、NPB(日本野球機構)による春季非公式試合、通称「オープン戦」。ペナントレース開催前の非公式試合ということもあり、各チームは新戦力の確認に余念がなかった。2025年3月23日、エスコンフィードHOKKAIDOで行われた「日本ハムファイターズ vs 東京ヤクルトスワローズ」は、パ・リーグ昨季2位の日本ハムと、セ・リーグ昨季5位のヤクルトによる一戦。好調の日本ハムが、最終戦も白星を飾ることができるのか、振り返っていく。※トップ画像出典/Pixabay

日本ハムエース伊藤と新戦力のメジャー経験者ランバートの対決
監督就任4年目を迎えた新庄剛志ファイターズ。前日のヤクルト戦を引き分けたことで、2010年以来となる球団15年ぶりのオープン戦優勝を決めた。3月の成績はここまで13戦で8勝2敗3分けと絶好調。加えて本拠地エスコンフィールドHOKKAIDOでは負けなし。オープン戦とはいえ白星で飾りたいところだ。先発はエースで本拠地開幕戦の先発が予定されている伊藤大海投手。今季はこれまで2試合に登板し、計8イニングを無失点11奪三振与四死球2と圧巻の成績。開幕前の最終戦も好投が期待される。
対する高津臣吾率いるヤクルトは、監督就任から6年目を迎えた。2年連続のBクラスから逆転を目指す今季のオープン戦は、7勝3敗2分けと上々の成績を残している。課題の投手力向上に向けて、今オフはマイク・バウマン、ピーター・ランバート、ペドロ・アビラと3人の助っ人外国人投手を補強した。今日の先発はこのうちの1人、MLB通算74試合登板の経験値を誇るランバート。昨年はコロラド・ロッキーズで28試合に登板し、3試合に先発としてマウンドに上がった。1軍初登板となるこの試合、その実力やいかに。
オープン戦優勝は伊達じゃない、日ハム打線は今日も絶好調
オープン戦優勝を決めた日本ハムの勢いは健在。2回、5番の万波中正外野手の右前打、6番水野達稀内野手が相手失策のうちに出塁、8番上川畑大悟内野手の右前打で1死満塁の好機を作り出した。打席に入ったのは9番の伏見寅威捕手。わずか2球で追い込まれたが、3球目の外低めに外れていくスライダーに、体を倒しながらも片手で食らいつき、打球は左翼の定位置付近の飛球になった。ヤクルト左翼手のサンタナ外野手は、横に流れながらの捕球となり、三塁走者は楽々とタッチアップに成功。伏見の犠牲フライで日本ハムが1点を先制した。
これで止まらないのが優勝打線。1番の五十幡亮汰外野手はフルカウントから2球ファールで粘って7球を投げさせる。そのかいあって、8球目は真ん中付近へ変化球が甘く入ってきた。とらえると打球は1、2塁間をゴロで破っていく適時打となり追加点を獲得。日本ハムが2点をリードして試合の主導権を握った。
伊藤の好投に沈黙しないヤクルト打線は6回にターニングポイントを迎える
日本ハム先発の伊藤はこの日も好調。ヤクルト打線は5回2死までノーヒットに抑えられ、完全に流れは伊藤ペースだった。しかし6回、1死で打席に入った赤羽由紘外野手が試合を大きく動かす。2ボールからの3球目、カウントを獲りにきた真ん中付近へのスライダーを豪快に振り抜くと、打球は左翼席へ一直線。赤羽のオープン戦第1号となるソロホームランが飛び出し、1点差に詰め寄った。続く3番の長岡秀樹内野手は初球、カウントを獲りに来たど真ん中のボールを見逃さず、高い放物線を描いて右翼席へ運んだ。長岡のオープン戦第1号ホームラン。ヤクルト打線がわずか2球で好調伊藤を攻略し、試合を2対2の振り出しに戻した。
波乱のシーソーゲームを制した伏兵の一発
ヤクルト先発のランバートは4回2失点、日本ハム先発の伊藤が6回2失点でそれぞれ降板。その後はシーソーゲームの様相となった。7回には日本ハムが田宮裕涼捕手の適時打で3対2と勝ち越しに成功。一方ヤクルトは8回にオスナの中前への2点適時打で逆転に成功し、試合は8回表終了時点で4対3と、ヤクルトがリードする展開になった。
それでも日本ハムはあきらめない。8回裏、1死一、三塁の好機を作ると途中出場の4番矢沢宏太外野手が2球目の高めスライダーを振り抜いた。右前に強いライナー性の打球は三塁走者を簡単に返す適時打となり、同点に。その後もチャンスを続け2死二、三塁の場面で同じく途中出場の6番石井一成内野手が左打席へ。ヤクルト6番手松本健吾投手のど真ん中スプリットに合わせるようにスイングすると、打球はぐんぐんと伸びて右中間のスタンドに飛び込んだ。試合を決定づける3ラン本塁打が飛び出し、7対4で今度こそ勝負あり。日本ハムがオープン戦最終戦を制した。
勝者となった日本ハムは、途中出場の選手が結果を出す層の厚さをいかんなく発揮。4番に野村佑希内野手が内定し、スタメンが固まりつつある打線だが、新庄監督にとってはうれしい悩みの種が増える結果となった。敗れたヤクルトは、相変わらず投手陣に課題が残る。しかし、好調だった日本ハムの伊藤から2本の本塁打を放つなど打線は圧巻。開幕後は、打線で失点をどれだけ補えるかに注目したい。
DAZN「NPBハイライト視聴オープン戦 : 日本ハム vs ヤクルト」(2025年3月23日配信)より
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