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BNPパリバ・オープン2025女子シングルス:青と緑の舞台で生まれた名勝負

深いブルーのコートに映える鮮やかなグリーン。カリフォルニアの陽光に照らされるインディアンウェルズは、今年も熱戦の舞台となった。17歳の新星ミラ・アンドレーワが、世界ランキング1位と2位を連破しWTA1000連覇。ワイルドカード出場のベリンダ・ベンチッチは、全豪で敗れたコリ・ガウフにリベンジ。そして、ビーナス・ウィリアムズの発表から欠場…。今回はドラマに満ちたBNPパリバ・オープン2025女子シングルスを振り返る。※トップ画像出典/Pixabay

아이콘 img 9605 1 1다카하시 나나 | 2025/04/11

毎年3月前半、アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズで開催されるATPマスターズ1000「BNPパリバ・オープン」(通称:インディアンウェルズ・マスターズ)。深いブルーのコートとそれを囲む鮮やかなグリーンのコントラストが映え、白いラインがくっきりと際立つ。その景観は息をのむほど美しく「これぞインディアンウェルズ」と称されるにふさわしい。女子シングルスは3月3日に予選が始まり、3月17日に熱戦の幕を閉じた。

アンドレーワ、17歳でWTA1000大会連続優勝!

BNPパリバ・オープン2025の女子シングルスの決勝戦は、世界ランキング11位のミラ・アンドレーワと、同ランキング1位のアリーナ・サバレンカの対戦となった。

第1セットはサバレンカの強烈なショットと積極的なネットプレーが光り、アンドレーワは防戦を強いられる展開に。アンドレーワが激しいラリーの中で放った絶妙なドロップショットが印象に残っている人も多いだろう。しかし、このセットはサバレンカが6-2で先取した。第2セットではアンドレーワのサービスゲームが安定し、主導権を握る場面が増える。試合の流れを変えたのは、セットを締めくくるサービスエース。相手は一歩も動けなかった。第3セットもアンドレーワの勢いは止まらず、サバレンカが浅いボールで前に誘い出そうとするも、アンドレーワは素早く追いつき、さらに前に出ていた相手の横を抜くショットを決める。マッチポイントでは、サバレンカの激しいショットの応酬の中で、少し浮いたボールを見逃さず、フォアで強烈なウィナーを放ち、優勝を決めた。試合は2-6、6-4、6-3の逆転勝利で、アンドレーワが17歳にしてWTA1000大会2連続優勝を果たした。

アンドレーワは準決勝でも、世界ランキング2位のイガ・シフィオンテクを撃破。今大会では、世界ランキング1位と2位の両方を破る快進撃を見せた。昨年、BNPパリバ・オープンに初出場した際は初戦敗退だったが、わずか1年で圧倒的な成長を遂げ、トップ選手たちを打ち破る実力を証明した。17歳の新星は、これからの女子テニス界でどこまで飛躍するのか。今後の活躍がますます楽しみだ。

ベンチッチの快進撃!ガウフへのリベンジを果たす

ワイルドカードで出場した世界ランキング58位のベリンダ・ベンチッチが、4回戦で同ランキング3位のココ・ガウフと対戦。この2人は、今年1月の全豪オープンでも対戦しており、そのときはガウフがセットカウント2-1で勝利していた。第1セットはガウフが持ち前のスピードとパワーを活かしたプレーを展開。強烈なフォアハンドと鋭いリターンで主導権を握り、ベンチッチを後手に回らせた。ベンチッチも時折鋭いバックハンドを放つものの、要所でのミスが響き、3-6でセットを落とす。しかし第2セットに入ると、ベンチッチのプレーが冴え渡る。特にサーブが安定し、サービスゲームでポイントを重ねることで、自らのリズムをつかんでいった。中盤には、強烈なバックハンドの応酬が続くなか、ベンチッチはガウフをフォアサイドへ動かし、返球されたボールを空いたバックサイドへ打ち込む。セットを6-3で奪い、試合は最終セットへ。第3セットでは、ベンチッチの粘り強さが光り、ガウフにコートを前後左右に揺さぶられるも、驚異的なフットワークで応戦。迎えたマッチポイントでは最後は力強いバックハンドで決め、激しい戦いの末に3-6、6-3、6-4で堂々の勝利をつかみ取った。

昨年10月、出産を経てツアーに復帰したベンチッチ。復帰当初はランキング圏外でのスタートだったが、今大会ではトップ選手を撃破するまでに復調し、かつての強さを取り戻しつつある。かつてのトップ10選手がどこまで順位を上げ、さらなるタイトルを狙えるのか。今シーズンのベンチッチの活躍に期待が高まる。

ウィリアムズ、ワイルドカードでエントリーも欠場へ

今大会のワイルドカード発表の中に、シングルス・ダブルスともに世界ランキング1位を記録したレジェンド「ビーナス・ウィリアムズ」の名前があったが、昨年3月のWTA1000「マイアミ・オープン」以来、ツアー大会には出場していない。久しぶりにそのプレーが見られると期待していたが、本人がポッドキャストで「海外にいる予定」と発言し、欠場を報告。残念ではあるが、次にコートに立つ日を心待ちにしたい。