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今季中に記録達成なるか?田中将大、浅村栄斗、坂本勇人…大記録が迫る現役選手たちの奮闘に注目!

日本プロ野球において、レジェンド選手の称号でもある「名球会」入り。そのハードルは高く、投手が通算200勝以上、通算250セーブ以上、野手は通算2000安打以上が基準となっている。また、名球会入りの条件ではなくてもプロ野球の歴史に残る記録を残している選手たちも存在する。そこで、2025年シーズンで大記録を達成できそうな現役選手を紹介。昨今の成績や立場からその可能性について言及していく。※トップ画像出典/photoAC

Icon setodaiki ph 瀬戸大希 | 2025/03/10

頼れるスラッガー・浅村栄斗は2000本安打まで残りわずか

2008年に大阪桐蔭からドラフト3位で埼玉西武ライオンズに入団し、現在は東北楽天ゴールデンイーグルスの頼れる主砲を務める浅村栄斗。通算1964安打で2000安打の大台まで残り36安打に迫り、今季の記録達成が確実視されている。

浅村はライオンズ時代の3年目にレギュラーの座を掴むと、12年連続でシーズン100安打以上をマーク。打点も多く勝負強さを合わせ持つのが浅村の魅力だ。右方向への長打を打てるようになってからは本塁打も増え、2020年と2023年には本塁打王も獲得している。大きなケガも少なく、2016年から全試合出場を果たしていることを考えると、5月中には記録達成ができそうだ。ちなみに2000本安打を達成すれば、平成生まれの選手で史上初の快挙となる。

最強ヒットメーカー・坂本勇人が通算二塁打新記録を目指す

入団2年目からレギュラーを掴み、史上2位の若さで通算2000安打を達成した読売ジャイアンツが誇る天才打者・坂本勇人。守備の衰えが見られるようになってサードにコンバートされたものの、巧みなバットコントロールはいまだに健在。2025年シーズンは二塁打の史上最多記録の更新が期待されている。

2024年も14本の二塁打を放ち、井口資仁(元・福岡ダイエーホークスほか)や福本豊(元・阪急ブレーブス)らを抜いて日本プロ野球2位まで浮上。トップにいる立浪和義(元・中日ドラゴンズ)が持つ通算487二塁打まであと28本に迫っている。坂本は二塁打を30本以上放ったシーズンが5回あるだけに、全盛期に近い打撃を取り戻せば、今季中の記録更新も夢ではなさそうだ。

鋼のメンタルを持つロッテの守護神・益田直也は250セーブ目前

2011年にドラフト4位で千葉ロッテマリーンズに入団したリリーフ右腕・益田直也は、通算250セーブに残り7セーブとしている。サイドスローに近い独特なフォームから150キロ前後の重いストレートとスライダー、シンカー、カットボールといった多彩な変化球を投げ分けて強打者を打ち取ってきた鉄腕だ。

ルーキーだった2012年はセットアッパーとして72試合に登板し41ホールド、防御率1.67をマーク。その翌年からクローザーに転向すると、33セーブで最多セーブ王を獲得。その後は不調で中継ぎに回る年もあったが、持ち前のマウンド度胸で地道にセーブを積み重ねてきた。好不調の波が激しい投手ではあるが、昨季後半のような安定した投球を続ければ、早い段階での大台達成となるだろう。

トップバッターを打てば2000本達成も可能な丸佳浩

2007年に高校生ドラフト3位で広島東洋カープに入団し、現在は読売ジャイアンツの主力打者として活躍する丸佳浩。カープ時代に不動の3番打者としてチームのリーグ2連覇に貢献した強打者はこれまでに通算1842安打をマーク。記録達成まで残り158安打になっているが、今季中の達成は黄色信号だろう。

なぜなら2020年以降に150安打以上を打った年はなく、丸の年齢や外野手陣の層の厚さを考えると全試合出場は微妙なところだからだ。しかし、昨季は阿部慎之助監督が丸を1番打者として起用することも多かったため、1番として結果を残し続ければ決して不可能な数字ではない。チームに貢献するためには出塁率なども問われ、ヒットばかりにこだわることが難しくなりそうだが、ペナントレース終盤での達成を願うばかりだ。

“魔改造”で復活を期す田中将大は日米200勝にあと3勝

2007年の1軍デビュー以来、東北楽天ゴールデンイーグルスやニューヨーク・ヤンキースのエースとして活躍してきた剛腕・田中将大。2013年には日本プロ野球タイ記録のシーズン20連勝を含む24勝0敗という伝説を作ったレジェンドは、今季より読売ジャイアンツに移籍。これまでに日米通算197勝を挙げており、200勝の金字塔まで残り3勝となっている。ところが、メジャーから復帰して楽天に戻ってからは好成績を残せておらず、昨季はまさかの0勝に終わってしまった。

それでも田中は、ジャイアンツへの移籍とともに再起を決意。数々の投手を復活させてきた久保康生コーチの“魔改造”と呼ばれるフォーム修正に取り組み、縦に腕を振る動作を意識したフォームを猛特訓。かつての豪快な投球を取り戻しつつある。ローテーション入りさえ果たせば、オールスター前には日米通算200勝は達成できるはずだ。

山﨑康晃は守護神の座を取り戻して名球会入りなるか?

2014年にドラフト1位で横浜DeNAベイスターズに入団した山﨑康晃。通算231セーブをマークしており、通算250セーブまで残り19に迫っている。150キロを超えるストレートとツーシームを武器に9回のマウンドを守ってきたクローザーで、登板前にファンが飛び跳ねる“ヤスアキジャンプ”は横浜スタジアムの風物詩になっている。しかし、大記録達成はボーダーラインと言えそうだ。

2020年以降から不調に陥り、大事な場面でのリリーフ失敗が続きクローザーから降格。2023年から森原康平がその役割を担っており、まずクローザーの座を奪うことが命題になるだろう。山﨑は「チャレンジャーの気持ちでいく」と述べており、新しい球種としてカーブの習得に挑んでおり、モチベーションは十分。今年の活躍が名球会入りと今後のキャリアの命運を分けそうだ。

今回取り上げた選手はもちろん、大記録に挑む現役選手たちの奮闘を応援したい。