激しい優勝&残留争いを見せた2024年Jリーグ終盤第34節の戦いを振り返る
優勝・残留争いで熾烈を極めた2024年のJリーグ。残り5節となった10月17日時点で、サンフレッチェ広島が11試合負けなしで首位。ヴィッセル神戸は勝点64、6連勝中で2位だった。一方で3位FC町田ゼルビアは今季初の2連敗を喫するなど、優勝争いから1歩後退。そして、下位3チームが自動降格となるJ1残留争いも過熱。降格圏には18位ジュビロ磐田、19位北海道コンサドーレ札幌、20位サガン鳥栖の3チームがいた。配信サービスDAZNの番組「やべっちスタジアム #179 : J最終盤!熾烈な争いを振り返る」より、大きな盛り上がりを見せたJリーグ第34節のハイライトを紹介する。※トップ画像出典/Getty Images
絶好調首位広島と下位湘南の戦いー試合終了間際に劇的なゴールが
2024年10月19日、残留争いを繰り広げていた湘南ベルマーレと、当時首位で11戦負けなしだったサンフレッチェ広島の戦い。攻勢に出たのは優勝候補の広島だった。前半19分、パスをつなぐと川辺駿が強烈なシュート。惜しくも湘南GKの上福元直人による好セーブがあり、得点を奪えなかったが、攻撃はさらに続く。
前半28分、中野就斗の強烈なシュートがゴールを揺らした。広島のリーグ戦30試合連続ゴールとなる1点は、チームに流れをもたらした。
一方の湘南も前半アディショナルタイムに動きをみせる。コーナーキックから、J1通算200試合出場を果たしたキム・ミンテのゴールで、試合は振り出しに戻ったと思われた。しかし、直前の福田翔生のプレーがVARによってファールとみなされ、ゴールは取り消しになった。
試合は広島1点リードのまま後半へ。同3分、湘南はチャンスを作ると、クロスボールのこぼれ球に福田が合わせ、同点に。福田はこのゴールについて「(広島は)手堅くて強いチームでしたが1点決めれば自分たちの流れになると信じていた。その1点に集中しました」と力強く振り返った。
追い込まれた広島は同20分、川辺が鋭いシュートを放つも、またも湘南GK上福元の好セーブを前に得点ならず。なかなかリズムを作り出せずにいると、試合終了間際。湘南の田中聡がプロ入り後ホーム初となるゴールを決め、土壇場で勝ち越しに成功。首位広島を破り、湘南はJ1残留へ大きな1歩となる勝ち点3を手にした。一方広島はリーグ戦12試合ぶりの黒星を喫した。
劇的ゴールを決めた湘南の田中は「ホームでゴールを決めることができて、うれしかった。歓声がすごくてびっくりしました」と笑顔で振り返る。残留争いについては「首位相手に勝ちに行こうと監督から言われていたので、結果がついてきてよかった」とうなずいた。
一方敗れた広島の川辺は「先制点が取れて、前半はすごく良かった。決めきるところをしっかり決め切ることが重要かなと。勝ち続けることが優勝への道だと思いますし、(サポーターが)熱いサポートをしてくれているので、期待に応えて頑張りたいです」と話した。
神戸強みのサイド攻撃活かせず、連勝ストップ
10月18日、2位のヴィッセル神戸と6位のFC東京と対戦。クロス数とクロスからのシュート数がともにリーグ1位と、サイド攻撃が強みの神戸。神戸はリーグ戦6連勝中で好調だったが、前半24分、FC東京の遠藤渓太に先制ゴールを許し、厳しい展開に。反撃を狙う神戸は同30分、酒井高徳のインターセプトでサイドに持ち上げると、武藤嘉紀のクロス、大迫勇也のシュートとつなげるが、ゴールを揺らすことはできなかった。
決定機を作れなかった前半戦について、酒井は「前半は1人1人の距離感が遠く、関わっていく人数や関わっていくリズムがなかった。立ち位置が修正できればよりスムーズになって、より人が多くなって距離感が縮まると思う」と振り返った。
1点ビハインドで迎えた後半も、ペースはFC東京が握った。荒木遼太郎のループシュートで積極的な姿勢を見せ、その2分後には荒木のフリーキックから、安斎颯馬のシュートで点差は2点に広がった。反撃を狙う神戸はその後もサイドを使った攻撃を展開するが、なかなかかみ合わず。試合はそのまま終了し、0対2で敗れた。
酒井は「クロスに行く前に相手の目線を変えてクロスを上げるとか、もう1つ相手のセンターバックを引き出すとか、最後の仕留めに入るところが単調過ぎたなと思います。1点取るところの工夫がもうひとつ必要だった」と振り返った。それでも、チーム全体の調子は悪くないと語る。「しっかり点を取って勝てる、あるいは追いつけるというところにもう1度フォーカスして修正したい」と前を向いた。
首位争いから1歩後退の町田 取り組んだ守備の立て直しの効果は
町田は前節今シーズン最多の1試合4失点を浴びるなど、リーグ最少失点を誇っていた守備陣に隙が表れ始めていた。町田の昌子源は「そもそもシュートを打たせていなかったので、そこをもう一度、というのを合言葉に練習をしてきました」と話した。チーム全体で課題修正に励んだ結果はどう出たのか。
10月19日、16位の柏とアウェイでの1戦。試合が始まると明確な姿勢が表れた。町田守備陣は前から追いかけるスタイルを取らず、ブロックを作って守備に徹した。前半戦を0点に抑え、練習の成果を発揮した。しかし、後半に厳しい局面が待っていた。同18分、コーナーキックから柏の細谷真大にヘディングで押し込まれ、リードを許す展開に。
それでも追いかける町田は同44分、PKを獲得。それを下田北斗が冷静に決め、同点に。守備のほころびを攻撃でカバーした。土壇場で引き分けに持ち込んだ町田は勝ち点1を獲得し、首位争いに望みをつないだ。試合後昌子は「勝ちたかったのが一番です。優勝の可能性はゼロではないので、あきらめずにやっていきたい」と振り返った。
課題に取り組んだ守備に関しては「手応えと『今のはいけたんじゃないか』と思うシーンもあったので、そこの使い分けをスムーズに、相手の嫌なところをついていければなと思います」と話していた。
来月から始まる2025年シーズン。2024年シーズン同様、熱い戦いが待っている。
『DAZN』 やべっちスタジアム #179 : J最終盤!熾烈な争いを振り返る
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