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小川航基、日本代表の未来を担う万能ストライカーが誕生するまで

躍進を続ける日本代表サッカー。「黄金世代」と評される現在のチームは、多くの選手がヨーロッパの名門クラブで主力として活躍している。しかし、スター選手たちの原点をさかのぼると、多くがJリーグで才能を開花させ、プロとしての第一歩を踏み出している。選手たちのJリーグ時代と欧州での現在のプレーを見比べることは、彼らの成長過程を知る上で非常に興味深い。「Before / After」第10回は、オランダのエールディヴィジのNECナイメヘン所属・小川航基選手(27)に迫った。※トップ画像出典/Getty Images

Icon %e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a%e3%81%ae%e3%82%a2%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%af%e3%83%bc%e3%82%af 1 キングギア編集部 エンタメ班 | 2025/01/28

確実にフィニッシュまで持ち込む「点取り屋」としての才能を爆発

小川選手は1997年8月8日、神奈川県横浜市生まれ。ポジションはFW(フォワード)で、186cmの長身と80kgと恵まれた体格を持つストライカーだ。小川選手のキャリアは、横浜港北SCでのジュニア時代から始まる。高校時代は桐光学園高校でプレーし、2016年に18歳でジュビロ磐田に加入。ジュビロ磐田には2021年まで在籍し、J1リーグとJ2リーグを経験。この期間中、2019年には水戸ホーリーホックへの期限付き移籍も経験している。ジュビロ磐田にて、徐々に出場機会を増やしていった小川選手は、J2リーグ時代の2020年には32試合に出場し9得点を記録するなど、着実に実力をつけていった。2019年の水戸ホーリーホック期限付き移籍時には、J2リーグ17試合で7得点を挙げ、主力として活躍している。

番組では、2018年のJ1初ゴールシーンから紹介。11月のサンフレッチェ広島戦。後半から途中出場した小川選手は、0-2から同点としたロスタイムにPKのキッカーを務める。プレッシャーがかかるなか、冷静にゴールを右隅に決め、これが決勝弾となった。小川選手は「遅すぎる結果になってしまったのですけれども、これがスタートラインだと思って、もっともっと得点を取るように頑張っていきたい」とコメント。待望の得点時、小川選手は21歳になっていた。そこから、ストライカーとしての能力が覚醒した。

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출처/Getty Images

2022年、小川選手は当時J2だった横浜FCに移籍。2022~2023年にかけて飛躍的な成長ぶりを見せる。2022年シーズンはJ2リーグで41試合に出場し、26得点を記録する大ブレイクを果たした。この活躍で、小川選手の名前はサッカー界で脚光を浴びることになる。そして迎えた2023年、横浜FCはJ1に昇格。小川選手も15試合で6得点を挙げ、J1でも通用する実力を示した。番組では、磐田・横浜時代のゴールシーンが立て続けに流れる。どれもストライカーとして圧巻のシュートやヘッド弾の数々だ。ゴール前でボールを持ってさえいれば、ほぼ確実にフィニッシュまで持ち込む「点取り屋」としての才能を爆発させていた。右足が利き足の小川選手だが、左足でも正確なシュートを打つことができる「両足使い」である点も、決定力あるストライカーとして大きな強みとなっている。

オランダNECナイメヘンで着実に結果を残す──海外挑戦の先に見据えたものとは

2023年、小川選手はオランダのエールディヴィジ(1部リーグ)所属のNECナイメヘンに期限付きで移籍。NECナイメヘンでの活躍が認められ、2024年シーズン終了後に完全移籍が決定した。NECナイメヘンでは、リーグ戦24試合に出場し8得点1アシストを記録、カップ戦でも4試合4得点と、オランダでも着実に結果を残した。J1での経験を財産とし、日本を代表する選手になりたいという強い意志が、海外挑戦の後押しとなった。日本に戻るときには、日本代表のユニフォームを着てゴールを決めたいという目標も掲げていた小川選手は、海外での経験を通じてさらなる成長を遂げた。番組では、ゴールシーンこそ触れられなかったが、海外でもストライカーとして認知されたのが、小川選手の最大の「After」だ。

代表デビュー戦でいきなりハットトリック達成

小川選手は、2015年から年代別日本代表として活躍し、U-18からU-23まで各カテゴリーで豊富な経験を積んでいる。代表デビューは、2019年12月の「EAFF E-1 サッカー選手権」香港戦。いきなりハットトリックを達成する、華々しいものになった。2020年1月には、タイで行われた「AFC U-23選手権」にも出場。若手代表選手として着実にキャリアを積み重ねていった。

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출처/Getty Images

代表としての小川選手の武器は、ゴールの決定力だ。そのなかには高い身長とジャンプ力を活かしたヘディングシュートも含まれる。番組でも、代表で赤値千金のヘディング弾のシーンをクローズアップ。とくに伊東純也選手からのゴール前へのロングパスにドンピシャで合わせるヘッド弾は秀逸だった。小川選手も「(伊東)純也くんが持ったときは、必ずいいボールが上がってくると信じているので、それが形になって良かった」と2024年11月の「FIFAワールドカップ26アジア最終予選」中国戦で2得点を挙げ、追加点となるヘッド弾を決めたシーンを振り返っている。この試合は、1点目もゴール前での的確なポジショニングの小川選手が、久保建英選手のCK(コーナーキック)に頭で合わせるなど、武器を最大限に発揮した試合として記憶された。

オランダでのプレーを通じ、より一層の成長を遂げ、万能ストライカーとして覚醒した小川選手は、代表の未来を担う重要なストライカーとしての地位を確立することが期待されている。

『Before / After』#10 小川航基~遂に覚醒した万能ストライカー~より
配信日:2024年12月9日(月)全10回を一挙配信

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