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金融の立場から、スポーツ市場拡大を目指すー新進気鋭の金融機関ファーストパートナーズの挑戦

2016年に創業した株式会社ファーストパートナーズ。有価証券、保険、不動産など金融サービスの資産運用アドバイザーとして、ワンストップで提供できることを強みとする企業だ。2022年にはスポーツ事業を立ち上げ、金融ノウハウを武器に、アスリートの資産運用をサポートしてきた。現在はサッカーJ1のFC東京をはじめ、数多くのプロチームや個人アスリートのスポンサードも行う。金融の立場から日本スポーツの市場拡大に挑む理由とは何か。配信サービス「DAZN」が配信する「FRONTIA OF SPORTS」の第6回は 「スポーツ×金融」をテーマとして、アスリートへの資産運用サポートの舞台裏が明かされている。※トップ画像出典/PhotoAC

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「スポーツ規模を大きくしていきたい」 金融機関ならではのスポーツ界へのサポートとは

現在、日本と欧米を比較すると、スポーツの市場規模に大きな格差が生じている。株式会社ファーストパートナーズの代表取締役・中尾剛氏は「それだけ、伸びしろがあるということなんです。アスリートの資産運用をスポンサードしながら、金融の知識をスポーツ界に入れて、規模を大きくしていきたい。これが我々のねらいです」と力を込める。スポーツの発展に金融は必要不可欠。アスリートに対し、お金に対する興味や関心を育むことからスタートした。

貯蓄から投資へ、時代は変わりつつある。資産運用への興味は、一般の社会人だけでなく、プロアスリートも持ち始めている。中尾氏は「トップのプロアスリートと言えど、若い時に年棒が高くなり、引退すると年収が下がる構造は変わらない。いかに資産運用の素地を作るかが重要です」と語る。アスリートの多くは、お金に対する不安を抱えているという。ヒアリングの結果からは「将来、競技生活を送り続けるために安定して収入を得られるのか」「引退後、収入はどうなるのか」といった生の声があった。

また、社会人経験がない中で高額な収入を手にすることで、本来学んでおくべき税金に対する知識が不足している課題もある。中尾氏は「その結果、脱税などの犯罪に加担してしまったり、投資詐欺に勧誘されたりといった被害を受けています」と現状を説明した。

「我々世代はそういった教育を受けてきていません」 アスリートが直面するお金の問題とは

そもそも、何故ここまで中尾氏アスリートとお金に対する問題に危機感を持っているのか。それは前職時代、大手証券会社で勤務しながらアメリカンフットボール「Xリーグ」のアズワンブラックイーグルスでプレーした過去に起因する。

アスリートの金融リテラシーに対する意識は、当時から課題だった。「最近は学校の家庭科で金融知識を教える授業もできた。しかし、我々世代のアスリートはそういった教育を受けてきていません。金融リテラシーを上げる場もなければ、学ぶきっかけもないんです」と話す中尾氏。だからこそ、自分が変えるしかないと思った。

取り組んだのは、アスリートへの勉強会だ。2023年6月、FC東京の選手18名に対し、金融セミナーを開催。資産運用のレクチャーやクラブの売り上げ構造を解説しながら、金融リテラシー向上を目指した。「物販やチケット、スポンサー代がいくらなのか。利益はどれくらいで、年俸は選手にどれだけ払われているのか」そういった構造を分解してわかりやすく説明したと言う。結果、選手はチームの運営側とのコミュニケーションや、ファンサービスに対する意識が変わったそうだ。金融の側面を学ぶ大切さを理解させることができた。

異例となるアマチュアスポーツへの支援。そのねらいとは

同社が力を入れる事業の1つが、スポンサーシップだ。サッカー、バスケットボールなど、個人からチームまで15のスポンサード先を持つ。なかでも他社にないものが、一般的に広告価値が低いとされるアマチュアスポーツへの広告だ。「プロは主要なスポーツしかなく、そこを支援するだけではスポーツ界全体の規模は大きくなりません。なので、アマチュアも支援していきたいんです」と、中尾氏は語る。

ファーストパートナーズが2年前からスポンサードしているアマチュアスポーツクラブが渋谷を拠点にJリーグ参入を目指す「SHIBUYA CITY FC」だ。現在はJ3から3つ下のカテゴリーに相当する、東京都1部リーグに在籍。広告価値はJリーグクラブよりも断然低い。それでも、会社に対して大きな価値をもたらしてくれるという。SHIBUYA CITY FCの小泉翔代表は「我々のスポンサー企業の中に『金融的な観点で相談したい』という悩みを持つ方はたくさんいます。そういった方々を定期的にファーストパートナーズさんに紹介しています」と話す。

この取り組みのメリットが大きい。中尾氏は「同じチームをサポートするもの同士ですから、仕事の話もしやすいです。良いビジネスシナジーが生まれます」と説明。ここから生まれる金額が大きければ、結果的にチームに注ぐ金額も増える。互いにWin-Winの関係性が生まれているのだ。

新たな事業拡大を検討するなど、今後もスポーツへの取り組みは続く。中尾氏「スポーツはチーム・選手・資金が活性化すると市場は拡大します。金融サポートやスポンサードを通じて、スポーツ全体の発展に貢献できれば」と意気込む。スポーツを発展させるのは、チームや選手だけではない。ファーストパートナーズは社会に大きなメッセージを発信し続ける。

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DAZN』FRONTIER OF SPORTS FRONTIA OF SPORTS プロスポ#6 金融の力でスポーツ市場の更なる拡大へ より

配信日:2024年2月29日(木)~
콘텐츠:スポーツ界をビジネス面から探り、各チームや各団体がどのような活動を行っているかを深掘りする

※記事内の情報は配信時点の情報です