テニス界の進化を見逃すな! 2025年、ベテランと若手が交錯する激動シーズンの予感
2025年のテニス界は、若手とベテランが交錯する激動の年になるだろう。新たに登場した才能が既存の強者に挑戦し、競争は一層激化している。次世代選手はすでにグランドスラムで実力を証明し、復帰したベテラン選手たちの輝きも見逃せない。伝説的選手の引退により、テニス界は新時代の幕開けを迎え、選手たちの挑戦はますます注目を集める。2025年は、ベテランから若手まで多くの情報が溢れる充実したシーズンとなりそうだ。※トップ画像:出典/Getty Images
ジョコビッチ、ライバル・マレーをコーチに迎え新たな挑戦へ
2024年11月、テニスファンにとっては衝撃的な発表があった。
昨年のパリオリンピック男子シングルスで金メダルを獲得し、「生涯ゴールデンスラム」を達成したノバク・ジョコビッチ選手が、長年のライバルであり、テニス界の「ビッグ4」の一員として知られるアンディ・マレーをコーチに選んだのだ。ジョコビッチとマレーは、約25年にわたって激闘を繰り広げてきたライバル同士。これまでの対戦成績はジョコビッチが25勝、マレーが11勝。ジョコビッチのプレースタイルについては熟知しているだろう。マレーはオフシーズンから全豪オープンにかけてジョコビッチをサポートする予定で、2025年のシーズン開幕戦となる全豪オープンが非常に楽しみである。
「ビッグ4」として共に時代を築き上げてきたフェデラー、ナダル、マレーの引退を経て、現在も第一線で戦い続けているジョコビッチ。数々の伝説を残してきたジョコビッチだが、2025年のシーズン、ジョコビッチとマレーの新たなコンビネーションによって、さらなる伝説が生まれる予感だ。
ガウフ、WTAファイナルズ初優勝!3時間超の激闘を制す
コリ・ガウフ選手は、パリオリンピックでアメリカ代表の旗手を務め、現在世界ランキング3位(2024年12月23日時点)という実力者。私自身も個人的に大好きな選手であり、その活躍を取り上げたくなった。
2024年11月に開催されたWTAファイナルズに出場したガウフは見事な逆転劇を演じ、女子シングルスで初優勝を果たした。WTAファイナルズは、年間を通じて最も高いポイントを獲得した選手やグランドスラム優勝者など、シングルスとダブルスそれぞれ選ばれし8人のみが出場できる特別な大会。そんな世界のトップ選手が集まる舞台で、ガウフは決勝で中国のジェン・チンウェンと激闘を繰り広げた。試合は3時間4分にわたる白熱した戦いとなり、ガウフが3-6、6-4、7-6で勝利を収めた。
ハードヒッターの両者は、少しでも気を抜いたショットが命取りになる。コートを縦横無尽に駆け回り、決定的なショットが簡単に返される緊張感のある場面が続く。そんな中でも、ガウフは印象的なプレーを見せた。
第2セットの第3ゲームでは、相手に左右に振られながらも、ネット際に落ちてきた球を素早くダッシュで追い、バックハンドでショートクロスを決めた。試合のラストポイントでは、ガウフのサーブから始まり、相手のリターンがネットにかかって浅く返球されたところを瞬時に反応。走りながら、フォアハンドでオープンスペースに打ち抜き、見事に勝利を収めた。試合終了後、ガウフはコートに寝転がり、ガッツポーズを見せた。これまでの努力が報われたことを実感していたに違いない。ガウフは2022年から3年連続でWTAファイナルズに出場しているが、昨年のベスト4が最高成績であり、今回の優勝は彼女にとって大きな意味を持つ。これは彼女にとって初優勝であり、彼女のキャリアにとっても重要な節目となった。ガウフの自己最高ランキングはシングルス2位、ダブルス1位。来年は、シングルスでの1位奪取も期待されており、今後のさらなる成長と活躍が楽しみである。
坂本、テニス界で注目の若手選手として躍進
2024年が始まってすぐ、坂本怜選手の名はテニス界で一気に注目を集めることとなった。
1月に行われた全豪オープンジュニアで優勝を果たし、9月には全米オープンジュニアでダブルス優勝も達成。そして9月20日にプロ転向を表明し、11月には四日市チャレンジャーで初優勝を飾った。ジュニアとプロの大会両方で同じ年に優勝した選手は非常に少なく、その活躍ぶりはまさに異次元の成長を示しているといってもいいと思う。
プロ転向後の初試合は、9月に行われたジャパンオープン。シングルス予選から参戦したが、初戦で敗退。試合後に坂本は「人生で一番緊張した、頭が真っ白だった」とコメントを残した。この経験は、ジュニアとプロのテニスの違いを痛感させるものとなったのだろう。それからわずか2ヶ月で彼は守備的なプレースタイルから攻撃的なプレースタイルに変貌。難なくその壁を乗り越えてみせたのだ。
まだ始まったばかりのプロテニスプレイヤーとしての道のり。これからも数々の壁が坂本の前に立ちはだかるだろうが、彼の成長スピードを見ていると、どんな困難も乗り越えていけるだろう。
2024年は、テニス界にとって激動の一年であった。新人選手の登場や若手の急成長が目立つなか、ベテラン勢も負けじと輝きを放ち、シーズンを通して次々と話題を作っていった。特に日本人選手たちは、ジュニアからプロまで、各世代で素晴らしい成果を挙げ、今後が非常に楽しみである。そして2025年も、ベテラン選手たちはその経験と実力でさらなる記録更新を目指し、若手はその勢いで新たな時代を築いていくことだろう。今年もテニス界がますます盛り上がることを楽しみにしている。
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