レアル・ソシエダの久保建英が凱旋帰国「ケガをしないで終わるのが来季の課題」
久保建英選手が所属するラ・リーガのレアル・ソシエダが来日し、東京ヴェルディ(Jリーグ/日本)との親善試合を5月29日(水)に行った。先発メンバーに名前を連ねた久保選手は、後半3分までプレー。 試合はソシエダのウルコ ゴンサレス選手(前半45分)、アルセン ザハリャン選手(後半46分)の得点で、レアル・ソシエダが2対0で勝利を収めた。
試合後には久保建英選手が囲み取材、イマノル・アルグアシル監督が会見に登場し、今季の戦いや東京ヴェルディとの対戦について振り返った。
――久保選手にとっては初の国立競技場での試合でした。スタジアムには約4万人の観客が詰めかけてくださったそうです。
久保建英選手:日本代表では国立の試合に出たことがないので、とりあえず出られたことはよかった。それが一番です。
(会場にはブラバンの演奏が響き渡り、従来のゴール裏での応援は行われなかった)普段とは違う応援の面では、やっぱり少し難しいものがありましたけど、当然お互いのワンプレーで盛り上がれたので良かった。楽しかったです。
――観客が盛り上がっていました。
久保建英選手:日本でもあのような形で盛り上がってくれるのは非常にありがたいと思いますし、ワンプレーで盛り上がってくれてすごく嬉しいです。
――先発として出場しましたが、後半3分に交代されました。
久保建英選手:ちょっと(右の)もも裏が痛くて。でもせっかく来てくださった方がいるので、後半まではプレーしようと思いました。
――東京ヴェルディの印象を聞かせてください。
久保建英選手:僕は(Jリーグのチーム)と戦ったことがありますが、(チームメイトは)「すごいプレスが来る」と話していました。
1番はやっぱり何回僕らがプレスを掻い潜っても、次のゴールキーパーとかセンターバックと対峙したら毎回プレス来て、指揮されている城福さんの指示で「ハイプレスが徹底されているな」と思いましたし、(ヴェルディの選手たちは)「みんな体力が凄いな」と思います。
僕と同じように“細かくちょこちょこやるタイプの選手”が何人かいて、最初の前半15分ぐらいは、チームメイトのみんなで「やりづらいね」と話していて、対応するまでに時間かかりましたし、あれは日本の良さだと思う。
あのようなスタイルを続けていけば、どんなチームにも勝機があると思うので、僕らも日本代表でも、ああいったところも学んでいけたらなと思います。
――22歳最後の試合でしたが?
久保建英選手:あまり気にしてなかったですが、言われてみたらそうですね。
――今シーズンは代表戦1試合を残すのみになりましたが、次に向けてどのような意気込みで臨みたいですか?
久保建英選手:親善試合とはいえ、負けて「ソシエダはこんなもんなのか」と思われたらあれですし。勝てたのは良かったです。あと僕の中では、何回かセオリー通りの連携や動きの連動、崩しができたので、「どんな相手でも崩すことができる」とみんな自信になったと思います。
――たくさんの子供が久保選手のユニフォームを着て声援を送っていました。
久保建英選手:子供からの人気が1番ですね。子供は純粋なんで。「子供から人気がある」ということは、ちゃんとサッカー頑張ってるってことなので、嬉しいです。
――来季に向けた抱負や課題を聞かせてください。
久保建英選手:今季はスタートダッシュは成功しましたが、途中で躓いてしまった。ペース配分も大事ですけど、ケガをしないで終わるというのは来シーズンに向けての課題かなと思います。自分の100%を出し切れない時期があったので、連戦といえども、ペース配分、小さいケガを無くすことが一番です。
――ウルコ・ゴンザレス選手のゴールで先制し、2対0で勝利しました。
久保建英選手:「僕が『ウルコ(・ゴンザレス)が…』と言ってプレッシャーを与えてしまったかもしれませんが、たくさんの良いプレーを見せてくれたので僕も嬉しいですし、彼の自信にもつながると思います。
(ベニャト・)トゥリエンテスも、最初は自信なさげにプレーしていましたけど、今は主力選手の1人なので、プレーすること、成功体験が自信につながると思います。
(ウルコ・ゴンザレス選手やベニャト・トゥリエンテス選手のような)
中盤の底でプレーする選手が多分チームで一番上手いと思いますし、彼らの存在が、僕たちが来シーズン躍進していくためのキーになっていくと思うので、彼らに感謝しつつ、もっと求めていきたいです」
試合後にはレアル・ソシエダのイマノル・アルグアシル監督が会見に応じた。
ーー本日対戦した東京ヴェルディは今季トップカテゴリー昇格してきた非常に歴史のあるチームです。戦ってみた印象を聞かせてください。
アルグアシル監督:まずはチームとして、このようなツアーに参加できてよかったと思っておりますし、東京ヴェルディという歴史のあるクラブと試合ができて嬉しいです。試合についての話をさせていただくと、前半は難しい試合になりましたが、しっかりとディフェンスでボール保持しながら、オフェンスのもしっかりと抑えながらプレイできたかなと思っています。
――久保建英選手はホームタウンのサンセバスチャンでも非常に愛されているとお聞きしました。凱旋帰国した久保選手を熱烈に歓迎する 日本人の姿は、監督の目にどのように映っているのでしょう?
アルグアシル監督:久保建英選手を見る人たちがたくさん見られましたが、レアル・ソシエダというチーム自体を本当にたくさんの日本の人たちが快く受け入れていただけて、嬉しく思いました。本当に皆さんの愛を感じることができました。
――久保選手は後半開始直後にベンチに下がってしまいました。ベンチ下がった後に右のハムストリングを気にするシーンも見られましたが、怪我があったのでしょうか?
アルグアシル監督:まずは久保建英選手の選手のことを心配してくださり、ありがとうございます。ところで、久保選手に限らず他の選手たちもこのツアーで、少しコンディションの調整に関しては難しい部分があったと思います。
――久保選手が先ほど「シーズンを通したベース配分や小さな怪我を治す」ことを課題として話していましたが、監督は、彼のフィジカルはまだまだ成長の余地があると思っていますか?
アルグアシル監督:久保選手のフィジカル面に関しては非常に満足しています。今日はそんなコンディションが良くなかったとしても、彼自身はしっかりと長いシーズンを戦い抜きました。
チャンピオンズリーグに加えて、日本代表の一員として戦ったアジアカップもありましたし、本当に強度の高いシーズンだったと思いますが、本当に彼自身は高いパフォーマンスを発揮してくれていると思います。
プレイスタイルとしても、(ピッチの)中心と外の両方でプレーしないといけないですし、強度の高いプレーが求められますが、本当にシーズンを通して選手のフィジカルにはみんな満足しています。