사토 타쿠마씨 인터뷰 ~승부를 건너는 밀리 단위의 고집~
HEROs AWARD2019にアンバサダーとして出席されていた佐藤琢磨さんに、競技をする上でこだわっているギアの話などを伺いました。自転車競技やモータースポーツの世界の奥深さがわかる興味深い話の数々です。
키쿠치 코헤이
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2020/01/20
――本日はギアについて話を聞かせてください。競技に使う道具などの話です。
사토:ずっと道具(ギア)を使うスポーツをやっています。純粋に車が大好きなんです。機械が好きで、物心つくかつかないかの頃から、車への興味が異常に高かったですね。
早く運転がしてみたくて、毎日うずうずしていましたし、親父の運転する車の助手席はおきに入りの特等席でした。
10歳の時にF1日本GPに連れて行ってもらったことで、モータースポーツの世界に魅せられて、衝撃を受けました。
――年齢的に車には乗れないので、まずは自転車に乗ることから始まったんですよね?
사토:はい。幼少期からレーシングカートなどに乗れる環境には居ませんでしたから、身近にあった自転車に乗ることでレースというものを表現するしかなかったんです。
自転車には3歳頃から乗っていましたが、小学生くらいになると自転車があると行動範囲が何十倍にも広がるじゃないですか。冒険の道具として、自分の相棒みたいなものになっていきました。
小学生や中学生のころは、泥除けをとってみたり、自転車を軽くしてみたりして、自分なりのチューニングを施して楽しんでいましたね。
高校時代に競技の世界を知ってからは、競技用のフレームと自分で選んだパーツに変更したりして、自分の身体に合うように変えていくんです。
特にライディングフォームが大事になりますから、フレームの大きさやステムの長さもミリ単位で変更し、ポジションには特にこだわりましたね。レース環境に合わせてクランク長も変更していました。
――重さなども気にされますか?
사토:剛性が確保されていれば、軽いほうが絶対的にパフォーマンスが上がりますので、ねじをアルミやチタンに変えてみたり、軽量パーツには目がなかったですね。変速機も細かく調整したりなど、楽しく機械いじりをやっていました。
手や身体に直接、触れるものは特に大切にしていました。サドルもそのひとつですね。あの頃はテーラーメイドで作ることは出来なかったので、いくつかある商品の中からベストな物を繰り返し使って、探していくという感じでしたね。
――自転車のギアの世界も凄く奥が深いんですね。
사토:そうなんですよ。その後、本格的に自動車の世界に入っていって、自分のドライビングスタイルや感覚に合うように車のセッティングを煮詰めていきます。
――特にこだわっている点は?
사토:ギアとして特に大事にしている部分は、ヘルメットです。ヘルメットのカラーリングはパフォーマンスには関係ないですが、自分のアイデンティティーのひとつなので、デザインにはこだわってきました。
あとは内装ですね。ヘルメットの帽体の中のつくりというのは、アライヘルメットさんにずっと作って頂いていますが、ちゃんと頭の形を計測して、実際に走りながら微調整を繰り返し、点ではなくて、面で当たるように作りこんでいきます。完全にテーラーメイドです。
ヘルメットを含め、基本全身のものを全て自分のサイズに合わせます。
――身体にしっかり合わないとダメなんですね。
사토:はい、スーツも当然ミリ単位で調整しますし、グローブもシューズも同様です。シューズは特にヒールカップのしっかりとした剛性感とペダルの感覚がかかるように、なるべく薄くします。でも薄すぎると足の皮がむけてしまったりするので、その調整もします。
車に搭載されているシートもフォーミュラーカーは独特なんですが、自分の身体を型取って専用のシートを作っていきます。ペダルも細かく変更してドライビングポジションを決めていきまし、ステアリングポジションも同様ですね。そうやってコクピットが出来上がるんですよ。
――物凄いこだわりがある世界なんですね。
사토:ステアリングのグリップ、足、手、頭など身体が触れる部分は全部こだわってやっています。
レースでのギアは、どうしても身に付けなければいけない物なので、そのことによって不快になることは、なるべく排除したいんです。なるべく軽く、必要であれば強くしていく。そういう部分にはずっとこだわってやってきています。
――知らなかった世界ですので初めて知ったことも多く興味深いです。モータースポーツ特有の話があれば教えてください。
사토:フィールドで行うスポーツ選手は当然、物凄く汗だくになって表情も見えながら競技をするわけじゃないですか。
一方で、モータースポーツはヘルメットをかぶってしまうので表情が見えないですし、快適そうに座って車を運転していると思われがちなんです。
しかし、レーシングカーを運転するというのは想像以上にフィジカルなんですよ。僕が出ているインディカーのレースは、ひとつのレースで、体重が2Kg以上減ってしまうんです。それくらいエネルギーを使うんですよ。
コーナーを曲がる時などには、遠心力などもかかってきて、自分の体重が60Kgくらいですが、4Gや5Gくらいかかるんです。5Gというと300Kgの圧力なんですよね。
そういう中でやっていかないといけないので、心肺機能も必要ですし、心肺機能だけだと血液を巡らせられないので、しなやかな筋肉も必要です。圧力に耐えうる筋力も必要になります。
100グラムでも軽くすれば、極端な話、コーナーごとに500グラムの重力が変わってくるので、全然違うんですよ。
また、マシンはドライバーを含めた最低重量が決まっているのですが、少しでも軽く作って、その後、規程重量に合わせて、低い位置に重りを載せて調整します。重心を低くする為ですね。ですから、軽くすることに大きなこだわりがあるんです。
また、マシンのセッティングもミリ単位で調整しますし、特にオーバルでの車高調整は、わずか1/4ミリの変更で挙動が変わるんですよ!
マシンも完全に自分のものにしないと限界を引き出せませんし、ギアに少しでも不具合や痛みが出たらパフォーマンスに直結してしまうので、とてもシビアな世界なんです。
【プロフィール】
佐藤琢磨
生年月日:1977年1月28日
所属:レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング
「 F1、インディカー両方の表彰台に上がった唯一の日本人 」
学生時代の自転車競技から一転、20歳でレーシングスクールに入り、モータスポーツの世界へ。2002年にF1デビューし、2004年アメリカグランプリにて表彰台に上がる。2010年からはインディカー・シリーズにチャレンジし、2013年ロングビーチグランプリにて日本人初優勝を成し遂げ、世界最高峰のレースと言われるF1とインディカー両方で表彰台に上がった唯一の日本人ドライバーとなる。
更に2017年は世界三大レースの1つと言われるインディ500で優勝を果たし、内閣総理大臣顕彰をはじめ多くの賞を受賞。2018年は第16戦ポートランドにて優勝。インディカー参戦10年目となる2019年は、第3戦バーバー、第15戦ゲートウェイで優勝し、通算5勝目を上げる。
スポーツビズのHP参照
https://www.sports-biz.co.jp/athlete/index.cgi?actmode=AthleteDetail&id=30
사토:ずっと道具(ギア)を使うスポーツをやっています。純粋に車が大好きなんです。機械が好きで、物心つくかつかないかの頃から、車への興味が異常に高かったですね。
早く運転がしてみたくて、毎日うずうずしていましたし、親父の運転する車の助手席はおきに入りの特等席でした。
10歳の時にF1日本GPに連れて行ってもらったことで、モータースポーツの世界に魅せられて、衝撃を受けました。
――年齢的に車には乗れないので、まずは自転車に乗ることから始まったんですよね?
사토:はい。幼少期からレーシングカートなどに乗れる環境には居ませんでしたから、身近にあった自転車に乗ることでレースというものを表現するしかなかったんです。
自転車には3歳頃から乗っていましたが、小学生くらいになると自転車があると行動範囲が何十倍にも広がるじゃないですか。冒険の道具として、自分の相棒みたいなものになっていきました。
小学生や中学生のころは、泥除けをとってみたり、自転車を軽くしてみたりして、自分なりのチューニングを施して楽しんでいましたね。
高校時代に競技の世界を知ってからは、競技用のフレームと自分で選んだパーツに変更したりして、自分の身体に合うように変えていくんです。
特にライディングフォームが大事になりますから、フレームの大きさやステムの長さもミリ単位で変更し、ポジションには特にこだわりましたね。レース環境に合わせてクランク長も変更していました。
――重さなども気にされますか?
사토:剛性が確保されていれば、軽いほうが絶対的にパフォーマンスが上がりますので、ねじをアルミやチタンに変えてみたり、軽量パーツには目がなかったですね。変速機も細かく調整したりなど、楽しく機械いじりをやっていました。
手や身体に直接、触れるものは特に大切にしていました。サドルもそのひとつですね。あの頃はテーラーメイドで作ることは出来なかったので、いくつかある商品の中からベストな物を繰り返し使って、探していくという感じでしたね。
――自転車のギアの世界も凄く奥が深いんですね。
사토:そうなんですよ。その後、本格的に自動車の世界に入っていって、自分のドライビングスタイルや感覚に合うように車のセッティングを煮詰めていきます。
――特にこだわっている点は?
사토:ギアとして特に大事にしている部分は、ヘルメットです。ヘルメットのカラーリングはパフォーマンスには関係ないですが、自分のアイデンティティーのひとつなので、デザインにはこだわってきました。
あとは内装ですね。ヘルメットの帽体の中のつくりというのは、アライヘルメットさんにずっと作って頂いていますが、ちゃんと頭の形を計測して、実際に走りながら微調整を繰り返し、点ではなくて、面で当たるように作りこんでいきます。完全にテーラーメイドです。
ヘルメットを含め、基本全身のものを全て自分のサイズに合わせます。
――身体にしっかり合わないとダメなんですね。
사토:はい、スーツも当然ミリ単位で調整しますし、グローブもシューズも同様です。シューズは特にヒールカップのしっかりとした剛性感とペダルの感覚がかかるように、なるべく薄くします。でも薄すぎると足の皮がむけてしまったりするので、その調整もします。
車に搭載されているシートもフォーミュラーカーは独特なんですが、自分の身体を型取って専用のシートを作っていきます。ペダルも細かく変更してドライビングポジションを決めていきまし、ステアリングポジションも同様ですね。そうやってコクピットが出来上がるんですよ。
――物凄いこだわりがある世界なんですね。
사토:ステアリングのグリップ、足、手、頭など身体が触れる部分は全部こだわってやっています。
レースでのギアは、どうしても身に付けなければいけない物なので、そのことによって不快になることは、なるべく排除したいんです。なるべく軽く、必要であれば強くしていく。そういう部分にはずっとこだわってやってきています。
――知らなかった世界ですので初めて知ったことも多く興味深いです。モータースポーツ特有の話があれば教えてください。
사토:フィールドで行うスポーツ選手は当然、物凄く汗だくになって表情も見えながら競技をするわけじゃないですか。
一方で、モータースポーツはヘルメットをかぶってしまうので表情が見えないですし、快適そうに座って車を運転していると思われがちなんです。
しかし、レーシングカーを運転するというのは想像以上にフィジカルなんですよ。僕が出ているインディカーのレースは、ひとつのレースで、体重が2Kg以上減ってしまうんです。それくらいエネルギーを使うんですよ。
コーナーを曲がる時などには、遠心力などもかかってきて、自分の体重が60Kgくらいですが、4Gや5Gくらいかかるんです。5Gというと300Kgの圧力なんですよね。
そういう中でやっていかないといけないので、心肺機能も必要ですし、心肺機能だけだと血液を巡らせられないので、しなやかな筋肉も必要です。圧力に耐えうる筋力も必要になります。
100グラムでも軽くすれば、極端な話、コーナーごとに500グラムの重力が変わってくるので、全然違うんですよ。
また、マシンはドライバーを含めた最低重量が決まっているのですが、少しでも軽く作って、その後、規程重量に合わせて、低い位置に重りを載せて調整します。重心を低くする為ですね。ですから、軽くすることに大きなこだわりがあるんです。
また、マシンのセッティングもミリ単位で調整しますし、特にオーバルでの車高調整は、わずか1/4ミリの変更で挙動が変わるんですよ!
マシンも完全に自分のものにしないと限界を引き出せませんし、ギアに少しでも不具合や痛みが出たらパフォーマンスに直結してしまうので、とてもシビアな世界なんです。
【プロフィール】
佐藤琢磨
生年月日:1977年1月28日
所属:レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング
「 F1、インディカー両方の表彰台に上がった唯一の日本人 」
学生時代の自転車競技から一転、20歳でレーシングスクールに入り、モータスポーツの世界へ。2002年にF1デビューし、2004年アメリカグランプリにて表彰台に上がる。2010年からはインディカー・シリーズにチャレンジし、2013年ロングビーチグランプリにて日本人初優勝を成し遂げ、世界最高峰のレースと言われるF1とインディカー両方で表彰台に上がった唯一の日本人ドライバーとなる。
更に2017年は世界三大レースの1つと言われるインディ500で優勝を果たし、内閣総理大臣顕彰をはじめ多くの賞を受賞。2018年は第16戦ポートランドにて優勝。インディカー参戦10年目となる2019年は、第3戦バーバー、第15戦ゲートウェイで優勝し、通算5勝目を上げる。
スポーツビズのHP参照
https://www.sports-biz.co.jp/athlete/index.cgi?actmode=AthleteDetail&id=30