元体育会ソッカー部な国会議員!元榮太一郎(参議院議員&弁護士ドットコム株式会社 代表取締役会長)のJリーグを世界一のリーグへ 「第1回:株式会社横浜フリエスポーツクラブ代表取締役COO 上尾和大 Vol.3 」
1993年当時のJリーグと同時期にスタートしたイングランドのプレミアリーグの市場価値は1対1であった。しかし、現在ではかなりの差をつけられている。「どうすればJリーグがプレミアリーグに追いつくほど盛り上がるのか?サッカーに携わる方々の待遇がより良くなるのか?」そんな課題に対して、元体育会ソッカー部の元榮太一郎が動いた。サッカー関係者から話を聞き、実行に移していく新企画。第1弾はJ2リーグに所属する横浜FCの上尾和大社長との対談である。進行役はKING GEARの発起人である金子達仁が務めた。
키쿠치 코헤이
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2019/07/10
Vol1はこちらから
Vol.2는 여기에서
ーーこれは僕らが外野でワイワイ言うのではなくて、Jリーグの中の誰かが声を上げないと、多分変わらないと思います。まぁ、中の人たちは外野が盛り上がってくれるのを待っているのかもしれないですけれど。
위안롱:Jリーグの創設者とも言える、川淵三郎元チェアマンはここを大事にしているところなんですよね?
ーー大事にしてますけど、あの川淵さんは変えることには抵抗がない方ですから。あの時はそういう原理主義でいかないと圧倒的なプロ野球人気に立ち向かえなかった。
主張がないと、正義がないと勝てないというのがあったと思うんですけれど、これからは少しまた違う時代ですし「中国もある、他の国もある、日本も変わらなきゃダメでしょ」と恐らく川淵さんが一番言われると思います。
위안롱:僕は「チーム名に企業名を付けられる、あとは外資規制の緩和」これだけでビックバンが起きるのではないかという気がしています。とにかくお金が入ってきやすい環境をつくってしまえば。
ーーそれに対するアレルギーが強いだろうから、この10年フリーエージェント的なことをやったらよいのではと思います。
위안롱:まさに理想を現実的に実現していく過程の中で、突然激変するのはハードルが高いかもしれませんし、あとは1年だけ資本参加して、すぐに撤退することがあると、チームを愛しているサポーターの皆さんに迷惑をかけるかもしれないので、10年間スポンサーをやって長期的にクラブ経営に、Jリーグに関わった企業さんだったらそのようなこともできると。
ーーそのチャンスが一番あるのが実はLEOCさんじゃないかなと思っているんです。胸スポンサーって、基本コロコロ変わっちゃうじゃないですか。「何年前はどんな胸スポンサーだっけ?」とサポーターでさえあまり覚えていないこともありますよね。
横浜FCに関しては、LEOCって10年くらい動いていないので、このLEOCさんが「マリノスを倒すためにもっとお金を出したい」といったようなことを上手くやっていけば、ファンはLEOC横浜というのを飲む気がするんですよね。
上尾:LEOCが胸スポンサーになったのが2009年からですので2018年シーズンでちょうど丸10年でした。2019年からはLEOCのホールディングス会社のONODERA GROUPに変わってしまったのでタイミングが(笑)
ただおっしゃる通り、過去の歴史からもマリノスを倒すんだという大義名分が立ちやすいと思います。去年の天皇杯3回戦で横浜ダービーがあったのですが、平日開催なのに観客が1万人を超えて、試合も延長までもつれ込み、接戦で負けましたがなかなかの盛り上がりでしたね。
類まれなストーリーが2チーム間にはありますから、エンターテイメントとしての面白さはあると思います。
ーーロンドン対マンチェスターの図式で固まりかけたところに、シティが出てきたことによってさらにプレミアって火が付いたじゃないですか。
ヴィッセル神戸が出てきましたが、横浜でも激熱のがあるぞ、というのが欲しいですね。そのためにはスタジアムの問題も踏み込まなくてはなりませんけどね。
陸上トラックがあるような横浜国際競技場でやる限り、横浜のサッカー熱は未来永劫高まらないと思います。三ツ沢はトラックはありませんが小さすぎるんです。
위안롱:昔にフリューゲルスの試合を三ツ沢に観に行ったことがあるんですが、凄くグラウンドと近くて迫力があったんですけど、確かに小さかったですね。
――あのへなちょこだった広島カープが、あの新スタジアムの建設をきっかけに3連覇しちゃうわけですから。
90億というすごく安い費用で作ったんですけど、市役所や県庁の人たちが自腹で観に行って、入念に考えて、アメリカのエッセンスを入れて作ったのが今のズムスタ(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)なんですよ。
それで入場者数も激増しました。本当にスタジアムの力をカープが証明してくれましたし、首都圏にいいサッカー専用スタジアムが全然ないですから、作るべきだと思うんですよね。
上尾:パナソニックスタジアム吹田やミクニワールド北九州スタジアムをはじめ全国各地でサッカー専用スタジアム建設の気運が高まってきています。
サッカー専用もそうですが、大きな資本(スポンサー)を迎え入れようと思うと、スタジアム周りの特にVIPルームの充実化も課題ですね。
まだまだ日本のスタジアムは、陸上トラックがあるスタジアムが多いので、お客様が快適に観戦でき、かつスポンサー特権みたいなものがしっかりできているサッカー専用スタジアムが必要ですよね。
ーー日本ではサッカー場に行って、セレブ感を味わえるところってほぼないですもんね。
위안롱:段階的ではありますが、やはりお金が流入するスポーツリーグにしないといけないなという状況ですよね。
ーーヴィッセルさんが無理無理にその流れを作ってくれたので、これに乗らずにどうするのかという感じですよね。
위안롱:あのくらい三木谷さんがやる気になっているような会社って珍しいじゃないですか。だから制度でもう少しハードルを下げてあげた方が、もっと多くの企業が参入してくると思います。55チームもあるので。
ーー松本山雅というチームが大ブレイクするきっかけは、地域リーグ(北信越リーグ)の時にレッズを倒したことがきっかけなんです。それで専用スタジアムだったり、J1を目指そうという機運が高まったという背景があるんですよ。
4月6日に松本山雅とヴィッセル神戸が試合をして、松本が勝ったんです。翌日の長野の新聞がお祭りになっていたわけなんですけれど、今こうやって色々なところに火を付けられるわけなんです。このチャンスにもっとお金が入ってくるようにしたいですよね。
あの試合内容であれば世界中のどこに出しても恥ずかしくないと思いますし、これで良い舞台装置があれば観光客を呼べる。サッカー場がインバウンドの場になり得ますよね。
위안롱:チーム人件費の中には職員の役員報酬とか職員の人件費も入ってますか?
上尾:ここには入っていないです。
위안롱:これもまた寂しいことになってるんじゃないかと思うんですけど、クラブを支える人材が疲弊しながら安月給でなんとか理念を支えているみたいなことがあるから、理念倒れのJ運営はやめましょうと思うわけです。
スタッフも優秀でいい暮らしができないとチームは強くならないですよね。吹けば飛ぶような利益だと昇給もさせにくいですよね?
上尾:仰る通りですね。サッカー業界に情熱や夢をもって応募してくる方が多数いらっしゃいますが、家庭を持ち始める年代になると現実的に違う道を選ぶ方が多いのかなと思います。
他のチームのことは知り得ませんが、横浜FCでは昔の経験などを持っているスタッフが段々少なくなっていって、また新しい子が来ては数年でまた辞めるという現状がありますし、大きな経営課題だと認識しています。
위안롱:全クラブが基本そうなのではないかと思ってしまいますね。
ーー全クラブそうでしょうね。ヨーロッパのクラブだと、毎年シーズン前にポスターの写真撮影するじゃないですか。「30年前からいるよこのおっちゃん」なんて人もいますけど、本当はそういう人が必要なんですよね。
위안롱:あと僕が気になったのは、地元で卒園式とか卒業式に顔出すこともあるんです。そこで子供たちが将来の夢を一言いうのですが、少し前は「Jリーガーになりたい」という子供が「プロ野球選手になりたい」という子供より多かったんですけれど、最近メジャーで活躍する選手も出てきて、サッカーが日本におけるメジャースポーツとしてのポジションが下がりつつあるのを感じます。
ただでさえ少子化で分母が少なくなってきているのに、明日のサッカー選手になる人の数が減ってきていることに危機感を感じています。
ーー僕は息子がいてサッカーが好きでやりたいと言うんですよ。でも、やめろと言ってます(笑)僕もサッカーの仕事をしてますが、ブラック過ぎるから。
위안롱:ブラックですか…。ちなみに今、年俸1億円もらってる日本人選手って国内でいるんですか?
ーーJリーグ開幕当初は山ほどいましたけどね。当時は阪神の選手よりガンバの選手の方がもらってましたから。阪神電鉄と松下電器の規模ですからね。こんな時代があっただけに、今の状況はすごく残念ですよね。
Vol.4へつづく
写真:佐藤主祥
Vol.2는 여기에서
ーーこれは僕らが外野でワイワイ言うのではなくて、Jリーグの中の誰かが声を上げないと、多分変わらないと思います。まぁ、中の人たちは外野が盛り上がってくれるのを待っているのかもしれないですけれど。
위안롱:Jリーグの創設者とも言える、川淵三郎元チェアマンはここを大事にしているところなんですよね?
ーー大事にしてますけど、あの川淵さんは変えることには抵抗がない方ですから。あの時はそういう原理主義でいかないと圧倒的なプロ野球人気に立ち向かえなかった。
主張がないと、正義がないと勝てないというのがあったと思うんですけれど、これからは少しまた違う時代ですし「中国もある、他の国もある、日本も変わらなきゃダメでしょ」と恐らく川淵さんが一番言われると思います。
위안롱:僕は「チーム名に企業名を付けられる、あとは外資規制の緩和」これだけでビックバンが起きるのではないかという気がしています。とにかくお金が入ってきやすい環境をつくってしまえば。
ーーそれに対するアレルギーが強いだろうから、この10年フリーエージェント的なことをやったらよいのではと思います。
위안롱:まさに理想を現実的に実現していく過程の中で、突然激変するのはハードルが高いかもしれませんし、あとは1年だけ資本参加して、すぐに撤退することがあると、チームを愛しているサポーターの皆さんに迷惑をかけるかもしれないので、10年間スポンサーをやって長期的にクラブ経営に、Jリーグに関わった企業さんだったらそのようなこともできると。
ーーそのチャンスが一番あるのが実はLEOCさんじゃないかなと思っているんです。胸スポンサーって、基本コロコロ変わっちゃうじゃないですか。「何年前はどんな胸スポンサーだっけ?」とサポーターでさえあまり覚えていないこともありますよね。
横浜FCに関しては、LEOCって10年くらい動いていないので、このLEOCさんが「マリノスを倒すためにもっとお金を出したい」といったようなことを上手くやっていけば、ファンはLEOC横浜というのを飲む気がするんですよね。
上尾:LEOCが胸スポンサーになったのが2009年からですので2018年シーズンでちょうど丸10年でした。2019年からはLEOCのホールディングス会社のONODERA GROUPに変わってしまったのでタイミングが(笑)
ただおっしゃる通り、過去の歴史からもマリノスを倒すんだという大義名分が立ちやすいと思います。去年の天皇杯3回戦で横浜ダービーがあったのですが、平日開催なのに観客が1万人を超えて、試合も延長までもつれ込み、接戦で負けましたがなかなかの盛り上がりでしたね。
類まれなストーリーが2チーム間にはありますから、エンターテイメントとしての面白さはあると思います。
ーーロンドン対マンチェスターの図式で固まりかけたところに、シティが出てきたことによってさらにプレミアって火が付いたじゃないですか。
ヴィッセル神戸が出てきましたが、横浜でも激熱のがあるぞ、というのが欲しいですね。そのためにはスタジアムの問題も踏み込まなくてはなりませんけどね。
陸上トラックがあるような横浜国際競技場でやる限り、横浜のサッカー熱は未来永劫高まらないと思います。三ツ沢はトラックはありませんが小さすぎるんです。
위안롱:昔にフリューゲルスの試合を三ツ沢に観に行ったことがあるんですが、凄くグラウンドと近くて迫力があったんですけど、確かに小さかったですね。
――あのへなちょこだった広島カープが、あの新スタジアムの建設をきっかけに3連覇しちゃうわけですから。
90億というすごく安い費用で作ったんですけど、市役所や県庁の人たちが自腹で観に行って、入念に考えて、アメリカのエッセンスを入れて作ったのが今のズムスタ(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)なんですよ。
それで入場者数も激増しました。本当にスタジアムの力をカープが証明してくれましたし、首都圏にいいサッカー専用スタジアムが全然ないですから、作るべきだと思うんですよね。
上尾:パナソニックスタジアム吹田やミクニワールド北九州スタジアムをはじめ全国各地でサッカー専用スタジアム建設の気運が高まってきています。
サッカー専用もそうですが、大きな資本(スポンサー)を迎え入れようと思うと、スタジアム周りの特にVIPルームの充実化も課題ですね。
まだまだ日本のスタジアムは、陸上トラックがあるスタジアムが多いので、お客様が快適に観戦でき、かつスポンサー特権みたいなものがしっかりできているサッカー専用スタジアムが必要ですよね。
ーー日本ではサッカー場に行って、セレブ感を味わえるところってほぼないですもんね。
위안롱:段階的ではありますが、やはりお金が流入するスポーツリーグにしないといけないなという状況ですよね。
ーーヴィッセルさんが無理無理にその流れを作ってくれたので、これに乗らずにどうするのかという感じですよね。
위안롱:あのくらい三木谷さんがやる気になっているような会社って珍しいじゃないですか。だから制度でもう少しハードルを下げてあげた方が、もっと多くの企業が参入してくると思います。55チームもあるので。
ーー松本山雅というチームが大ブレイクするきっかけは、地域リーグ(北信越リーグ)の時にレッズを倒したことがきっかけなんです。それで専用スタジアムだったり、J1を目指そうという機運が高まったという背景があるんですよ。
4月6日に松本山雅とヴィッセル神戸が試合をして、松本が勝ったんです。翌日の長野の新聞がお祭りになっていたわけなんですけれど、今こうやって色々なところに火を付けられるわけなんです。このチャンスにもっとお金が入ってくるようにしたいですよね。
あの試合内容であれば世界中のどこに出しても恥ずかしくないと思いますし、これで良い舞台装置があれば観光客を呼べる。サッカー場がインバウンドの場になり得ますよね。
위안롱:チーム人件費の中には職員の役員報酬とか職員の人件費も入ってますか?
上尾:ここには入っていないです。
위안롱:これもまた寂しいことになってるんじゃないかと思うんですけど、クラブを支える人材が疲弊しながら安月給でなんとか理念を支えているみたいなことがあるから、理念倒れのJ運営はやめましょうと思うわけです。
スタッフも優秀でいい暮らしができないとチームは強くならないですよね。吹けば飛ぶような利益だと昇給もさせにくいですよね?
上尾:仰る通りですね。サッカー業界に情熱や夢をもって応募してくる方が多数いらっしゃいますが、家庭を持ち始める年代になると現実的に違う道を選ぶ方が多いのかなと思います。
他のチームのことは知り得ませんが、横浜FCでは昔の経験などを持っているスタッフが段々少なくなっていって、また新しい子が来ては数年でまた辞めるという現状がありますし、大きな経営課題だと認識しています。
위안롱:全クラブが基本そうなのではないかと思ってしまいますね。
ーー全クラブそうでしょうね。ヨーロッパのクラブだと、毎年シーズン前にポスターの写真撮影するじゃないですか。「30年前からいるよこのおっちゃん」なんて人もいますけど、本当はそういう人が必要なんですよね。
위안롱:あと僕が気になったのは、地元で卒園式とか卒業式に顔出すこともあるんです。そこで子供たちが将来の夢を一言いうのですが、少し前は「Jリーガーになりたい」という子供が「プロ野球選手になりたい」という子供より多かったんですけれど、最近メジャーで活躍する選手も出てきて、サッカーが日本におけるメジャースポーツとしてのポジションが下がりつつあるのを感じます。
ただでさえ少子化で分母が少なくなってきているのに、明日のサッカー選手になる人の数が減ってきていることに危機感を感じています。
ーー僕は息子がいてサッカーが好きでやりたいと言うんですよ。でも、やめろと言ってます(笑)僕もサッカーの仕事をしてますが、ブラック過ぎるから。
위안롱:ブラックですか…。ちなみに今、年俸1億円もらってる日本人選手って国内でいるんですか?
ーーJリーグ開幕当初は山ほどいましたけどね。当時は阪神の選手よりガンバの選手の方がもらってましたから。阪神電鉄と松下電器の規模ですからね。こんな時代があっただけに、今の状況はすごく残念ですよね。
Vol.4へつづく
写真:佐藤主祥