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シメオネ監督の結束力が導く、後半の粘り強さカギに!アトレティコ・マドリードのCL初制覇への展望

スペインのリーガ・エスパニョーラでは、レアル・マドリード、FCバルセロナの2チームが人気・実力ともに突出しているが、近年ではアトレティコ・マドリードもその2強と同等のレベルまで向上。2021-2022シーズンはリーガを制し、今季のCL1次リーグでもレアル・マドリードを抑えて5位で決勝トーナメント進出を決めた。2011年末に就任後、中位に沈んでいたチームを立て直したディエゴ・シメオネ監督の功績はたたえられるべきだろう。しかし、未だに手にできていないCLというタイトルの獲得は、本人にとってもクラブにとっても悲願といえる。※イラスト/vaguely

아이콘 왕국 아이콘KING GEAR 편집부 | 2025/02/22

勝負強さと驚異の後半の逆転劇で初のCLタイトル獲得へ!

1次リーグ初戦は、ドイツのRBライプツィヒ。前半4分にFWベンヤミン・シェシュコに早々と先制されるも、同28分にエースのFWアントワーヌ・グリーズマンのゴールで同点に追いつく。その後は一進一退の攻防が続き、このまま試合終了になるかと思われた後半45分。DFホセ・マリア・ヒメネスが劇的な逆転弾を決め、なんとか勝ち点3をもぎとった。しかし、続くベンフィカ戦では4-0で敗戦。FWグリーズマンを中心とした攻撃陣もシュート4本に抑えられ、完敗を喫した。第3節のリール戦では前半8分にFWフリアン・アルバレスのゴールで先制するが、その後立て続けに失点し、終わってみれば3-1と力負け。無念の2連敗を喫した。

だが、ここで大崩れしないのが今のアトレティコ・マドリードだ。フランスの絶対王者であるパリ・サンジェルマンと戦った第4節は、前半に失点するもすぐに追いつき、後半アディショナルタイムに代わって入ったFWアンヘル・コレアが逆転ゴールを決めて勝利を挙げる。第5節のACスパルタ・プラハ戦は6-0、第6節のSKスロヴァン・ブラチスラヴァ戦も3-1と一気に流れを手繰り寄せた。続く第7節は2023-2024シーズンのドイツブンデスリーガを無敗で制したバイエル・レバークーゼン。前半終了間際に先制されたものの、後半に入るとFWアルバレスの2ゴールで逆転に成功した。最終節のザルツブルク戦も4-1と圧倒し、1次リーグ5位で決勝トーナメント進出を果たす。逆転勝利や終了間際のゴールで試合を制すことが多く、勝負強い戦いでリーグを勝ち抜いてきた。

▼2024-2025UEFAチャンピオンズリーグ1次リーグ成績

6勝0分2敗/20得点12失点/勝ち点18

2025年シーズン予想フォーメーション

4-4-2を基本のフォーメーションとし、リーグ・カップ戦などで数々の結果を残してきた。GKはスロベニア代表のヤン・オブラクが君臨し、ゴールマウスを守る。左SBにはDFハビ・ガランが入り、右SBはDFナウエル・モリーナとDFマルコス・ジョレンテの争い。ここは、直近での活躍を鑑みてDFジョレンテを配置した。CBはDFホセ・ヒメネスとDFクレマン・ラングレが務める。スペイン代表にも入るDFロビン・ル・ノルマンもレギュラー候補だ。そしてボランチには、MFパブロ・バリオスとMFロドリゴ・デ・パウルのコンビが決勝トーナメントでも躍動するだろう。左SHにはFWサムエウ・リーノ、右SHはシメオネ監督の実の息子でもあるFWジュリアーノ・シメオネが入る。FWシメオネは今季最もブレイクした選手の一人としても知られており、チーム躍進の立役者にもなっている。2TOPはFWフリアン・アルバレスとFWアントワーヌ・グリーズマン。どちらの選手も、今季のラ・リーガは第23節時点ですべての試合に出場している。CL1次リーグでも、FWアルバレスが6得点、FWグリーズマンが7得点とどちらもバランスよく結果を出しているのが印象的だ。多彩な得点パターンで相手DFの的を絞らせず、決勝トーナメントでも脅威の2TOPとなるだろう。

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イラスト/vaguely

決勝トーナメントの展望ー不安定ながら強さを発揮!監督が築いた結束力と粘り強さ

1次リーグでは20ゴールを挙げ、ストレートで決勝トーナメントに進出した8チームのなかではFCバルセロナに次ぐ2位の得点数だった。一方、12点を失った失点数も8チーム中2番目の多さ。こちらもFCバルセロナに次ぐ数字である。1次リーグ第5節のACスパルタ・プラハ戦や最終節のザルツブルク戦のように、大量得点で勝利することもあれば、第2節のベンフィカ戦では4つのゴールを奪われるなど、一見すると不安定な戦いを強いられているようにも見受けられる。しかし、後半に強いチームでもあり、勝利した6勝のうち3勝は逆転勝ちで、その3勝はいずれも後半45分以降に決勝点を挙げている。一つでも引き分けに終わっていたら、ストレートでの決勝トーナメント進出は危うくなっていただけに、後半の勝負強さがものをいうチームであることは間違いない。また、所属するラ・リーガでも好調を維持し、3シーズンぶりの優勝も十分射程圏内に入っている。日程的にも厳しくなってくるものの、これまでの勝負強さとシメオネ監督が長年築き上げたチームとの結束力を活かせば、初のCL奪取だけでなく、リーガとの2冠制覇も夢ではない。


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